最近、トルコリラの暴落が大きな話題になってますよね
今回の暴落で多くの人が損失を出してしまっていたようです。
昨日トルコリラで泣いている人に会った。
— 和田 宏樹 (@wadaar) August 11, 2018
父の遺産数百万円を保守的に長期運用できる投資を探してセミナーに参加し、結果、トルコリラを鬼レバで張りスワップを狙うポジションを取った。昨日強制ロスカット。
投資は自己責任。無知は罪。これを期に学を志して天国で父に会ったときに御礼言おうぜ。
トルコリラで資産5000万円飛ばした方がタイムラインに。。
— もふ@不動産投資家&ブロガー (@mofmof_investor) August 12, 2018
FXで専業12年目の方でも、、FX怖すぎですね。。
収入源が投資やブログだけになり、変革がありそれで食えなくなったら怖いなと思う
ブロガーもミスでアドセンスが飛んだりすると食えなくなる。#トルコリラ#破産#自分への戒め pic.twitter.com/n3sTc6RM91
今日はそもそもどうして多くの人が、トルコリラを買っていたのか
そして、暴落の原因となぜスワップ金利ではなかなか儲からないのかについてまとめてみようと思います。
なぜトルコリラを買っていたのか?
そもそもどうして投資家がいままでトルコリラを買っていたのか?
まあ端的に言えば、円でお金を持っているよりも儲かるって考えていたからですが、
その理由は、金利差にあります。
金利の低い通貨で金利の高い通貨を買えばその差額の金利分を下の図のように儲けることができます。
そして、トルコリラは高金利の通貨として有名でした。
例えばあるFX会社では以下のようになっていました。
GMOクリック証券 - スワップポイントカレンダー | FXネオ | サービス一覧
1万通貨(約16万円)持ってれば一週間で約560円の金利が付きます。
ということはこの金利が一年続けば、一年間で約3万円儲かることになります。
この利率の高さが人気の理由でした。
さらに、FXではレバレッジをかけてより大きなトルコリラを少ない原資で持つことができます。
もし仮に10倍のレバレッジをかけて、170万円分のトルコリラを保有し、そして一年間で日本円に対するトルコリラの価値が下がらなければ、一年間で約30万円儲かるわけです。
確かにこんなおいしい話なかなかないように思います。
ということで、金利差で儲けようと多くの投資家がトルコリラをもっていたわけです。
どうして暴落したのか
高い金利政策をトルコリラがとっていたということは、裏を返せばあまりトルコリラを持ちたがる人がいなかったので高い金利で人をつっていたということ。
つまり、それだけもともと通貨として人気がなかったということです。
それには以下のような理由があります。
・1人あたりの実質GDPは21000トルコリラ(約35〜50万円)
・国内のインフレ率は毎年10%以上
・国際貿易の収支は赤字
そして、今回の暴落に関して言えばさらに以下のような要因があったからではないかといわれています。
・トランプ米大統領が自身のツイッターで、トルコに対する鉄鋼とアルミニウムへの関税を倍にすることを指示
・トルコのエルドアン大統領が利上げに対して否定的なためにこれ以上の利上げはないのではと判断した市場の悲観によるさらなる暴落
こうして未曽有の暴落が発生し8/13現在でのトルコリラは15.97 円。
さらにその影響は株価にまで及んでいるようです。
トルコリラ/円(TRY/JPY) :外国為替 | マーケット情報 | 楽天証券
こうしてみるとなかなかの下がり幅ですね。
なぜスワップポイントではあまり儲からないのか
そして最後のテーマに移りますが、どうしてスワップポイントでは儲かりにくいのか?
それはひとえに、原資を毀損する可能性が割と高めだから!ということ
さっきの話で言えば16万で一年間で3万儲かるという話をしましたが、そもそも3万ということは3円以上トルコリラが下がれば損する計算になります。
ちなみに今回暴落で言えば一年前のトルコリラは30円前後だったので、30-16で14円の差額つまり14万円の損失であり
先ほどの3万で相殺しても11万の損です。
もちろん裏を返せばトルコリラの価値が上がれば利息+原価の上昇で二度おいしい思いもできるわけですが、先ほどの下がりっぱなしのチャートを見る限りではなかなかV字回復は想像できないでしょう。
それから、もう一つ儲かりにくい理由があります。
それは株がプラスサムなのに対してFXは基本的にゼロサムだということです。
通貨の交換はあくまで通貨の総量が変わらない以上、誰か儲けた人がいる裏には、同じ数の損をした人がいます。
つまり市場が徐々にでかくる株と違い、パイの大きさが変わらない以上、より為替のほうが奪い合いが激しくなりがちです。
さらに、基本的に貨幣というのはインフレ傾向にあるものなので、よりインフレしやすい(金利の高い)通貨を持っていれば価値は減価しやすいのです。
つまり、利率なんて原資に比べれば大した額ではないので、少しのインフレでも割と大きなダメージを受けやすいが、金利が高い通貨は基本インフレも起こりやすい。
高い金利はインフレして通貨の価値が下がるリスクと表裏一体(トレードオフな関係にあるわけです)
なので、スワップポイントで稼ぐ(特に新興国の通貨)のって結構なリスクをもってます。
しかも、基本的にスワップポイントで稼ぐためには長い期間そのインフレしやすい通貨を持ちつづけないといけないんでますますそのリスクは高まってしまうわけです。
ちなみにこの考え方は購買力平価説なんてよばれてたりしますね。
購買力平価説│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
もちろん、あらゆる面で完全な自由貿易なんてものはないでしょうから
厳密に言えば成り立たないのかもしれませんが、それでも何年もそのようなインフレしやすい通貨を持ち続けていればそれだけインフレする確率も高まってしまうというわけです。