というわけで今回は最近読んだ本のレビューをしていきたいと思います。
今回紹介するのは「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする 」という本です。
一言で要約すると?
一言でいうと、自分にとって最も大切なもののために無駄なものはできる限り排除しないといけない、ということだと思います。
そういう考え方のことをここではエッセンシャル思考と呼んでいます。
いらないものを捨てれずに持っておきつづけたり、無駄な人間関係に消耗するのはよくないというのはもちろんのこと
人に頼まれごとをしたときやいいチャンスに巡り合えた時に、エッセンシャル思考をもってそれらを判断できるかというのもこの本のテーマになっています。
エッセンシャル思考を持つというのは時間と根気がいるものすごい大変な作業ですが、この本には、どうすればエッセンシャル思考を持つことができるのかというヒントが書かれています。
まとめと要約
この本の目次は以下のようになっています。
PART1 エッセンシャル思考とは何か
第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
第2章 選択──選ぶ力を取り戻す
第3章 ノイズ──大多数のものは無価値である
第4章 トレードオフ──何かを選ぶことは、何かを捨てることPART2 見極める技術
第5章 孤独──考えるためのスペースをつくる
第6章 洞察──情報の本質をつかみとる
第7章 遊び──内なる子供の声を聴く
第8章 睡眠──1時間の眠りが数時間分の成果を生む
第9章 選抜── もっとも厳しい基準で決めるPART3 捨てる技術
第10章 目標──最終形を明確にする
第11章 拒否──断固として上手に断る
第12章 キャンセル──過去の損失を切り捨てる
第13章 編集──余剰を削り、本質を取り出す
第14章 線引き──境界を決めると自由になれるPART4 しくみ化の技術
第15章 バッファ──最悪の事態を想定する
第16章 削減──仕事を減らし、成果を増やす
第17章 前進──小さな一歩を積み重ねる
第18章 習慣──本質的な行動を無意識化する
第19章 集中──「今、何が重要か」を考える
第20章 未来──エッセンシャル思考を生きる最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ
それぞれの章ごとにどのようなことが書かれているのかまとめていきたいと思います。
PART1 エッセンシャル思考とは何か
Part1ではそもそもエッセンシャル思考というものがどのようなものなのかということが書かれています。
エッセンシャル思考とは
「やらなくては」ではなく「やると決める」
「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」
「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」
の3つの考え方をもとにしているのものです。
これをモデル化すると以下のようになります。
このようにシンプルに生きることで
自分のもっている力を本当に必要なものにのみ注ぎ込むことでその分野で成功しまた、充実感を持って毎日を生きることができる、というのがエッセンシャル思考の目的です。
第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
ちなみにもしも、エッセンシャル思考を身に着けていなければどうなってしまうのでしょうか?
この本の中では以下のような状態になるだろうと書かれています。
- 自分の中で優先順位がつけられず他人の言いなりになる
- あらゆることに手を出してしまいすべてが中途半端に終わる
- 色々なことに手を出し、すべてで成功しようとした結果常に多忙になり疲れ切ってしまう
そしてエッセンシャル思考を具体的に手に入れるためには以下の3つの知識を前提として持っておく必要があります。
第2章 選択──選ぶ力を取り戻す
選択しないということは、他人に自分の人生をゆだねているということでもあります。
だから、きちんと自分自身で何を選び何を捨てるのか考えることがとても大切です。
第3章 ノイズ──大多数のものは無価値である
大半のものは無価値で不要です。
だから、全部頑張ればいい、とか努力をすればするほど報われるんだみたいな考え方はエッセンシャル思考ではありません。大半は無駄なことですから。
「全部やらなくては」という思考から抜け出して「本当に大切なこと」だけを行おうとすることが大切です。
第4章 トレードオフ──何かを選ぶことは、何かを捨てること
選択することにも関係しますが、何かを選ぶことは何かを捨てることでもあります。
「決断」という言葉がありますが、これは「決めて断つ」つまり何かを選ぶことは何かを捨てることでもあるということを表した言葉でもあります。
あれもこれも全部手に入れようとしてもそんなことはできません。
だからこそ
・何をとり何を捨てるのか?
・何を捨てる代わりに何に全力を注ぐのか
ということを自分の中できちんと明確にしておく必要があるのです。
PART2 見極める技術
PART2ではたくさんのノイズの中からどうやって数少ない本当に大切なことを手に入れるのか、そのやり方について書かれています。
なるべく時間をかけて調査・検討し意見を交わしじっくり考えることが、ノイズの中から必要なものを選び出すためには大切です。
そのためには一見無駄に思える眠ったり、考えたり、立ち止まる時間が案外必要だったりします。
第5章 孤独──考えるためのスペースをつくる
ノイズの中からほんとに必要なものを選び出すには、だれにも邪魔されない時間が不可欠です。
なので、あえて自分から周りと距離をおいて集中して物事を考える時間を自分で作る必要があります。
SNSや仕事から離れ、本を読み集中して物事を考えるそんな時間を持つべきなのです。
第6章 洞察──情報の本質をつかみとる
沢山の情報の中から本質を見抜く力もエッセンシャル思考には不可欠です。
些細なことに気を取られすぎて対局を見失ってはいけないし情報の断片から大筋を見抜いて的確に核心を突く必要があります。
そのためには以下のような訓練方法が有効だったりします。
- 日記をつける(数行でいいから)
- 現場を見る(自分の目で問題を確かめる)
- 普通を知り逸脱を探す(別の立場になって考えてみる)
- 問題を明確にする(私たちが本当に考えないといけない問題を明確にする)
第7章 遊び──内なる子供の声を聴く
遊びはくだらないと大人は考えがちですが、本当はとても大切なことです。
なぜなら、遊びは創造性と探求心の源だからです。
それは以下のような理由を根拠にしています。
理由①
遊びは気づかなかった可能性や思いがけなかったつながりを気づかせてくれる。それによって視野が広がり常識にとらわれず、新しいストーリーを発見できる。
理由②
ストレスを減らすことができる
理由③
遊びは計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、移譲、決断、分析などのビジネスで必要なスキルをつかさどる脳の機能を刺激してくれる。
第8章 睡眠──1時間の眠りが数時間分の成果を生む
多忙になるとどうしても睡眠時間を削ってしまいがちだが、それはよくない。
睡眠は自分の体という最大の資本を守るためにとても大切な要素であるし、十分な睡眠は脳の機能を高めてくれるので結果として生産性や創造性が上がります。
具体的に言うと7~8時間は眠る必要があります。
それが難しいのであればせめて昼寝を毎日するだけでもだいぶ効果があります。
第9章 選抜── もっとも厳しい基準で決める
なんにでもイエスといってしまうと時間という貴重な資本を無駄にしてしまいます。なのでできる限り選ぶものは少なくする必要があります。そのためには「これしかない!」と思えるものだけを選択する必要があります。
具体的に言うと自分の中で100点満点で90点の選択肢以外はすべて捨てます。
70~80点ぐらいの選択肢が出てきたとき、人は迷ってしまいがちですがこのくらいの点数の選択肢はバッサリ落としてしまうのです。
こうすることで本当に必要なことだけに自分のリソースを集中させることができるのです。
PART3 捨てる技術
「絶対にやるべきこと」 を選ぶことができるようになったら今度は「しなくていいこと」をきっぱりと捨てる必要があります。
また、捨てるべきことを明確にすることで逆に本当に必要なことが浮かび上がってくるというようなこともあるので、捨てることは自分の優先順位をはっきりさせるうえでとても重要なことです。
第10章 目標──最終形を明確にする
明確な目標は成功に必ず必要です
もしも明確な目標がないとこのような事態に陥ってしまいうるからです。
- 社内政治の蔓延(上司のご機嫌とり)
- 努力の方向性がばらけてゴールに結局たどりつけない
これらの事態を防ぐためにも具体的で刺激的な本質目標が必要です
また目標を立てる際には以下のようなことに注意を払う必要があります。
- 目標の言い回しより中身を重視すること
- 目標の達成をどう判定するのかを明確にしておくこと
第11章 拒否──断固として上手に断る
他人からのプレッシャーに負けずに「ノー」ということができるかというのはとても大切です。
なぜなら断るときに、罪悪感を感じるし、相手を失望させたくもないし関係を請わs宅もないです。
でも、そうしなければもっと大切な自分の目標をトレードオフで失ってしまいます。
ですので断るということはとても大切です。
そのためにもこの本では断る際の考え方もいくつか紹介してあります。
- 判断とその人との関係性を切り離す
- 直接的でない表現を使う(行きたいのはやまやまだけど・・・)
- トレードオフに目を向ける(自分が失うものはなに)
- 相手が何を自分に売り込んできているのかよく考える
- きちんと断ることで好印象の代わりに敬意を手に入れる
- あいまいなイエスはただの迷惑
また、断りをいれる際のコツについてもいくらか紹介をしてあります。
- とりあえず3秒だまってみる
- 代替案をだす
- 予定を確認しますといって折り返す
- 自動返信メール
- 代わりにどの仕事を後回しにしますか?ときく
- 冗談めかして断る
- 肯定を使って否定する(協力するそぶりは見せつつ線引きを相手に見せる)
- 別の人を紹介
第12章 キャンセル──過去の損失を切り捨てる
人はサンクコスト(今まで投下した費用)に対する心理バイアスによって損な行動を続けてしまうことがあります。
しかしそれでは今まで投下した資源以上のものを今後、無駄にしてしまいます。
ですが人は、既に持っているものについて過大評価してしまう傾向があります。
なので、今持っているものがほんとに必要なものなのかどうか以下のような方法を使って再確認する必要があります。
- 今持っているものをもっていないと仮定して、取り戻すのにいくら払うか考える
- 失うことがもったいないという気持ちを持ちすぎない
- 失敗をきちんと認めて成功へ向かう
- 第三者の意見を聞く
- ゼロベースで考えてみる(当たり前にあるものを疑ってみる)
- 何となく流れで引き受けるのはやめる
- 何か言う前に5秒待つ
- 試しに全部やめてみてどんな不都合が発生するのか観察してみる
第13章 編集──余剰を削り、本質を取り出す
不要なものを減らすことがエッセンシャル思考においてはとても大切だということはここまでで何度も話してきましたが、この章ではそのために必要な4つの原則が語られています
1.削除する
2.凝縮する
3.修正する(自分の行動が本質的に目標へ近づく手段になっているのか考える)
4.抑制する(本当に必要なときのみ行動する)
第14章 線引き──境界を決めると自由になれる
一線を引くということは簡単にはできないことではあります。
出世を妨げられたり、最悪仕事を失うかもしれません
ですがこの先は譲れないという一線を明確にしておくことで、自分を守ることが大切です。
そのために以下のようなコツを紹介します。
- 他人の問題を横取りしない
- 境界をひいて内側を自由に使う
- 自分の境界はどこか知る
- 難しい相手とは契約を結んで譲れない線を先に明確化しておく
PART4 しくみ化の技術
エッセンシャル思考でもって毎回自分で判断するというのはとても難しいことです。
なので、できる限り判断することを減らして効率化することで、無意識のうちにエッセンシャル思考にのっとった行動をとれるようにする
それがこのPART4にかかれている「しくみ化」≒「システム化」です。
第15章 バッファ──最悪の事態を想定する
不測の事態というのはいつでも起こりえます。
だから、あらかじめ備えておくことが大切で、そのことをこの本では「バッファをとる」と呼んでいます。
最悪の事態を想定して、準備と計画に全力を注ぐことを成功しているときにも忘れないことが大切です。
1.5倍ぐらいの見積もりで準備を進めることが大切です。
最悪の事態に備えるには以下のような考え方が有効です。
- プロジェクトにどんなリスクがあるか
- 最悪の場合どんなことがおこるか
- 周囲の人への影響はどのようなものがあるか
- リスクは自分にとってどの程度の経済的負担になるか
- リスクを減らすためにどのような投資を行うべきか
第16章 削減──仕事を減らし、成果を増やす
制約や障害を取り除くことは、成功するためのとても大切な要素です。
そのための3つのコツをこの章では紹介しています。
- 目指すべきゴールを明確にする
- ボトルネック(一番根本的な障害)を特定する
- 邪魔なものを取り除く
第17章 前進──小さな一歩を積み重ねる
私たちは派手な目標を掲げがちですが、本当に大切なのは日々の小さな成功の積み重ねです。
心理学的に人間のモチベーションに最も効果的なのは「前に進んでいる」という感覚だそうです。
小さくても前進しているという手ごたえがあれば未来の成功を信じられます。
なので最初から高望みをして派手目の目標を立てることはむしろ逆効果になります。
小さく早く初めて日々の小さな進捗を評価したほうがずっと遠くまでいくことができるのです。
第18章 習慣──本質的な行動を無意識化する
努力を普段の習慣にしてしまえば、努力することは当たり前になり最終的には無意識のうちに努力ができるようになります。
だから、正しい習慣を身に着けることでいちいち考えなくても適切な努力を行るようになりまた、余ったリソースで別の作業を行うことも可能になる。
ただ、誘惑はたくさんあるので正しい行いを習慣化するというのは難しいです。
ついうっかりケータイをいじってしまうように
そのようなときには行動を引き起こすトリガーを知ることが有効かもしれません。
つまり悪い習慣を変えるには行動それ自体よりもそれを引き起こすトリガーに注目するべきです。
例えば、携帯をみるとどうしてもいじってしまうのであれば携帯の電源を落として絶対による10時以降は使わないというのを自分の中で習慣づけしてしまうのです。
また、長年しみ込んだ習慣をいきなり変えるというのは難しいので、変えるときにはひとつづつ、徐々に変えていくことが大切です。
第19章 集中──「今、何が重要か」を考える
過去は変えられないし、未来が不安なのは誰でもそうです。それでも人は何かにつけて過去や未来に囚われてしまいます。
ですがそのような現在でないことに思いをはせすぎてしまうと
目の前の大切なことが見えなくなってしまいます。
なので今この瞬間に集中することがとても大切なのです。
そのためにはいくつかのテクニックがあります。
- 今何が最も重要か考える
- 未来を頭の中で抱えない(紙に書き出すなどしていったん外へ出す)
- 優先順位をつける
「いま、この場所」で生きることが大切なのです。
第20章 未来──エッセンシャル思考を生きる
エッセンシャル思考は表面だけ取り入れても仕方がありません自分の本質をエッセンシャル思考にする必要があります。
要するに、非エッセンシャル思考の人がたまにエッセンシャル思考な行動をしても大きな効果はありません。
ただ、エッセンシャル思考で生きるということはとても難しいことです。
周囲と同化せず、人がイエスというときにあなたはノーといい、人が行動するときにあなたは考えます。
人が不満を言うとき、控えめに微笑み、人がスポットライトを浴びようとしているときに、地道に仕事をこなしてしかるべき時期を待つ。
そのようなことが出来なくてはエッセンシャル思考を身に着けたとはいえないし、身に着けるのはとても難しいです。
ですがもしも身に着けて、自分の本当に必要なものに最大限のエネルギーを注ぎ込めば後悔の入る余地はなくなり、自分の選択に誇りを持てるようになります。
最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ
最終章ではエッセンシャル思考を身に着けた人がリーダーシップをとったならいったいどのような行動をとるのかということについて紹介がされています。
- 決して妥協せず人の選別にこだわりぬく(間違った人材を雇うぐらいなら人が足りないほうがマシ)
- 目標が完璧に明確化されるまで話し合う
- メンバーの役割をあいまいにしない(自分のやることを明確に意識させる)
- 小さな進歩を重ねているのか適切にチェックする
感想
最初この本を読むまではタイトルだけで
本当に大切なものにだけ集中して無駄なことは省きなさいなんてことがかかれてるんだろうなそんなこと言われなくてもわかってるわ!
みたいに思っていたわけですけども 笑
でもこの本を読めばそんなエッセンシャル思考をどうすれば持つことができるのかというやり方を具体的に紹介しているので
より具体に、どうすればエッセンシャル思考を持つことができるのかということを考えることができる本になっていると思います。
賢い人はこんな風に考えて物事を解決させてるんだてこと知って
その考え方を少しでもトレース出来たらいいなて思いました。
これを読んだだけではエッセンシャル思考を完全に身に着けることはできないので
手元に置いて定期的に読み返して復習することが大切なのだと思います。
もしもご感想・ご相談あれば、TwitterのDMまで送ってくださいね!
ブログの更新情報や、ブログネタにもならないようなこまごましたネタを垂れ流してるんでツイッターのフォローもお願いします!